成年後見や任意後見に関して

 

・成年後見制度とは?

後見という言葉を聞いたことはありませんか?

後見とは歴史的にさまざまな意味を持つ単語ではありますが、現在は一般的に「成年後見制度」のことを指します。

「成年後見制度」とは、あなたの家族が、認知症や精神障碍、知的障碍、身体障碍などにより判断能力が不十分な状態になってしまった時、その方々が安心して生活できるように、法律的に保護する制度です。

例えば、私たちは日常生活をおくるうえで、知らず知らずのうちに実に様々な契約を結んでいます。 あなたが普段スーパーやコンビニで日用品を買うことも立派な契約なのです。 判断能力が不十分になると、色々な契約上のトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。怪しい投資話の勧誘や高額商品の押し売りなど、高齢者を狙った悪徳商法の被害ケースは年々増加しています。(悪徳とはいえ、これらも一応は契約です)

このような場合に、後述する「成年後見人制度」などを利用しておくと、先ほどの契約を本人に代わって取り消すことが可能となり、判断能力の衰えた本人に代わって、預貯金や不動産などの「財産」を管理することもできます。

主に次のようなケースで成年後見制度が活用されています

□ 年老いた両親だけで暮らしていて訪問販売に引っかからないか心配。

□ 認知症の両親と同居している兄弟が親のお金を使い込んでいる。

□ 認知症の両親の不動産を売却して施設に入所する費用に充てたい。

□ 今は元気だが将来判断能力が衰えた時に財産管理をしてほしい。

□ 自分の死後の精算、葬儀の手配、各種届など死後事務を委任したい。

成年後見制度には、判断能力が衰えた時のために、あらかじめ後見人になってくれる人を契約で定めておく「任意後見制度」と、すでに判断能力が不十分である人のために、家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見制度」があります。

 

・任意後見制度

任意後見制度とは、判断能力が衰える前に、将来的に認知症などで判断能力が衰えた場合に備えて、自分の後見人となってくれる人をあらかじめ契約で決めておく制度です。

任意後見制度を利用するには、自分の生活、療養看護や財産の管理に関する法律行為について、「判断能力が不十分になった場合に、代理権を与える」という内容の契約(任意後見契約)を、後見人になってくれる人との間で結ぶ必要があります。この契約は、必ず公正証書でおこなう必要があります。

 

人間は、年を取ると、次第に物事を判断する能力が衰えてきます。これがひどくなると、認知症と言われるような状態となることがあります。あなたは、自分だけはぼける心配はないと思ってはいませんか?我が国の認知症高齢者は一説には160万人もいると言われています。そして、85歳以上の高齢者になると、実に、4人に1人が認知症になると言われています。 認知症に罹患してしまうと、当然自分では、自分の財産の管理ができなくなってしまいます。

 

また、病院等で医師の診断・治療を受けようとしても、病院等と医療契約を結ぶことすらできなくなります。もちろん、入院手続きも出来ませんし、施設に入ってしまおうと思っても、施設に入るための施設入所契約自体ができなくなってしまいます。介護保険を利用したくても、その手続をすることも大変な上、何より介護を受けるための介護サービス提供契約を締結することができない、ということになってしまします。

 

これまでは、そのような場合、家族が代わりに手続きすればよかったのですが、最近はコンプライアンスの世の中ですから、仮にあなたが認知症にかかった場合、家族があなたの通帳からお金をおろして治療費等に充てようとした時、銀行はこう言うでしょう。「後見人を立ててくれ」と。

というように、年をとってくると、たとえ財産に余裕があったとしても、自分のお金なのに自分で使えない、自分で自分に関することが処理できない、今まで通用していた「家族が代わりに・・」といったことが通用しないといった事態が起き得るのです。そのようなことを防ぐため、自分の判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ、自分がもしそういう状態になったときに、自分に代わって、財産を管理してもらったり、必要な契約締結等を代理でしてもらうこと等を、自分の信頼できる人に頼んでおけば、すべてその人にしてもらえるわけですので、あなたは安心して老後を迎えることができる、というわけです。

 

以上の理由から、任意後見制度は、将来の老いの不安に備えた「老後の安心設計」であると言われ、「遺言」と同じくこれからの高齢化社会にとって必要になってくることでしょう。将来困らないように、事前に備えておくことがとても大切なのです。 任意後見制度は、平成12年4月1日にスタートして以来、毎年増え続けており、おおむね前年の20〜30パーセント増しの割合で増加してきています。

 

・任意後見契約の効力

任意後見契約を締結しただけでは、その契約の効力は発生しません。

本人の判断能力が不十分になった場合に、本人・配偶者・四親等以内の親族・任意後見受任者のいずれかが、家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を求めます。家庭裁判所が本人の判断能力が不十分だと認めると、任意後見監督人が選任され、これにより実際に任意後見契約の効力が発生します。

 

・法定後見制度とは

法定後見制度は、本人の判断能力が衰えてしまった後に利用する制度です。

本人の判断能力のレベルに合わせて、「後見」「保佐」「補助」の3つのタイプがあり、下記のような違いがあります。

 

後  見

保  佐

補  助

判断能力のレベル

判断能力を欠く常況

(重度)

判断能力が著しく

不十分(中度)

判断能力が不十分

(軽度)

本人の名称

成年被後見人

被保佐人

被補助者

援助者の名称

成年後見人

保佐人

補助人

援助者の権限

全ての法律行為を代理できる。

一部を除き、本人が行った法律行為の取消権。

本人が行なった行為の追認権。

特定の法律行為(*1)について同意権、及び同意なしで本人が行った行為の取消権。

本人が同意し、家裁が認めた一定の法律行為の代理権。

本人が同意し家裁が認めた特定の法律行為(*1)の一部について同意権、及び同意なしで本人が行った行為の取消権、および一定の法律行為についての代理権。

(*1)民法第13条第1項に規定

法定後見制度の中でも特に重要な役割を果たすのが「成年後見人」です。
後見人の役割には大きく分けて「財産管理」「身上監護」「家庭裁判所への報告」の3つがあります。具体的には、
@財産管理
・預貯金による入出金のチェックと、必要な費用の支払い
・所有不動産の管理 など
A身上監護
・治療、入院に関し病院との契約
・住居の確保(賃貸借契約)
・施設などの入退所に関する手続き など
B家庭裁判所への報告
・収支報告(1年に1度)
・財産目録の作成
・財産の引き渡し
・終了報告 
などが挙げられます。

当事務所では、任意後見制度の普及に力を入れております。任意後見制度を利用するには、公正証書にて任意後見契約を結ばなくてはなりません。ご本人の意思をしっかりと確認し、契約の内容が法律に従ったものにするべく、しっかりと当事務所がお手伝いします。また、法定後見制度の利用に際し、家庭裁判所への申立書類の作成、申立手続きも行っております。
お気軽に、ご相談フォームまたはお電話にてお問い合わせください。

 

身近な法務手続き(個人のお客様)

会社設立法務手続き(法人のお客様)


専門外である会社法務やトラブルを事前に防止!安心して全ての力を本業のビジネスに集中し、事業の拡大を図ることができます。

【対象エリア】

大阪市(中央区・浪速区・西成区・旭区・城東区・鶴見区・都島区・福島区・此花区・大正区・西区・港区・西淀川区・東淀川区・淀川区・北区・天王寺区・生野区・東住吉区・住吉区・住之江区)・箕面市・吹田市・守口市・門真市・枚方市・高槻市・茨木市・豊中市・吹田市・堺市・東大阪市…大阪府を中心に近畿各府県